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I'd like to acknowledge and pay my respects to the Traditional Custodians of the land where I live, work and study, in particular, the peoples of the Eastern Kulin Nations.

I'm grateful for numerous Knowledge Holders, Elders and non-Indigenous mentors who kindly have shared their insight with me and shaped the way I think about Countries.

生活し、働き、学ぶ場所を守り続けてきた先住民の方々、
特にオーストラリア・ビクトリア州のEastern Kulin Nationsの方々に敬意を表します。

寛大に見識を共有してくださったり、私の場所に対する考え方を形づくってくださった
知識保持者や長老のみなさま、また先住民ではない数々の恩師にとても感謝しています。

Til now, from now
これまで・これから

I'm a designer, a graduate of architecture, a translator, a musician, a university tutor and an artist with Japanese and Korean heritage.

Originally from Matsuyama, Ehime in Japan, I've spent half of my life in Japan and the other half in Australia, where I had the privilege of learning the ways of appreciating and embracing architecture, landscapes and the philosophical underpinnings of the Country (with capital C).

This website is a collection of thoughts, not necessarily all about my projects. It is not a showcase of pretty things; rather, I'd like it to be a framework for the process I strive for.

オーストラリア在住の韓国系日本人で、デザイン・建築・翻訳・大学教育・アートの仕事をしています。

愛媛県・松山市出身で、人生の半分（小学6年まで）を日本で過ごし、残りの半分をオーストラリアで過ごしてきました。オーストラリアに留学したことは、自身にとって建築やランドスケープ、先住民の場所に対する哲学的観点を理解し心に刻む方法を学ぶ機会を与えてくれました。

このウェブサイトは私自身の考え方・働き方をまとめたものです。
過去の作品を披露する場ではなく、常に目指しているプロセスの枠組みについてご紹介したいと思います。

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関係性ー何か・誰かと関わることーは自身の対象に対する観点をあらわにするだけでなく、自らのアイデンティティや立ち位置を反映する。

社会において、「関係」というと人間関係が一般的に話題にあがるが、我々は数えきれない関係を動物や昆虫、植物、ランドスケープや環境系などの人間以外の存在と（多くの場合、無意識のうちに）築いている。ステッフェン・レーマンによると、過去300年における科学的発見や技術的進歩、工業革命によって人間の環境に対する優位性の意識が生まれ、「自然の唯一の役割は人間の発展に寄与することだ」という認識が広まった。ピラミッドの頂点に人間がいるエゴ中心のヒエラルキーに対し、レーマンのエコ中心的な考え方は人間が生態系・環境系の一部であって、対等であることを再確認させてくれる。

アルフレッド・アドラーの個人心理学を前向きにとらえると、対人関係は問題の種であることと同様に幸せの種ではないだろうか。個人的な、また社会人としての人間関係を築いてきて、自身の応え方が好奇心や楽観性につながっていると感じている。また、もっと誰か・何かについて学ぶことで、ますます自分がまだ知らないことを知ることができると考えている。

個人として、社会人として生きてきて、常に自分らしくあることが重要な事だと感じるようになった。デザイナーとして、自身のことに興味を持ってくれたり、考え方に共感してくれて、一緒に仕事をしたいと言ってもらえること以上に光栄なことはない。共通の価値観や信頼をとおして培った関係はどんなことをするにしても大切な基礎だと感じている。

「Country」（大文字のC）という概念は土地や空、水、人、動物、植物やご先祖の魂などすべてのものはつながっているというオーストラリアの先住民の世界観であり、オーストラリアに来て、先住民ではない方を含む多くの思想家に学んだ。包括的な面に加え、Country自体も人間と互恵的なつながりをもつ、独立した精神を持つ存在として認識されている。近年、オーストラリアではそれらの独立した権利を認識する法律が制定され始めている（例として、the Yarra River Protection Wilip-gin Birrarung murron Act 2017にて認められたヤラ川・ビラルンなどがある）。

先住民の方々がどのように場所の手入れをしたり、文化的慣習を守ったり、ご先祖の道すじを辿ったりすることで、Countryとのつながりをはぐくんでいるのかを学ぶ機会が多くあり、身に沁みる思いである。

Countryについてや先住民の方々の貴重な知識に触れ合う際の文化的プロトコルについて理解することで、Countryの多様性や特異性、建前的・単発的なやり取りの危険性について意識するようになった。また、先住民の方とのyarn（会話）、観察眼を持つことやその場所を守り続けている方々と時間を共にすることの重要性を深く知るきっかけになった。

ソーシャルメディアにおける完璧かつ「映える」写真を求める風潮がある中で、デザインを単なる視覚的刺激として消費する動きは、社会が求めるデザインの価値を問うきっかけになった。ソーシャルメディアによって、これまで一般的に知ることのできなかった世界中の素晴らしいプロジェクトが広まった一方で、世論では建築やデザインを物のみとしてとらえ、表面的な美しさを求める声が多くあがっている。

このような風潮は、建築を空間形成の為のデザイン・プロセスなどを含む「サービス」とではなく、資本主義的に建築物を商品と捉え売る行為ととらえる人々の存在を反映しているように感じる。

デザイン・プロセスはデザイン・ブリーフや場所、人びとを理解すること、それらに応えること、さまざまな関係者やチーム間を取り持ちお互いの考えを共有すること、また、デザイン思考を建築物として具現化することなどによって構成されている。何事にも耳を傾けたり、考えをまとめ共有する力に加え、問題解決と創造的思考の交わりとしてのデザイン・プロセスは、単に見栄えの良い（もしかしたらAI生成の）画像よりもよっぽどデザイナー・建築士の能力や可能性を明白にすると感じている。

一デザイナーとして、一緒に仕事をする方々やその場所との道のりという意味でのデザイン・プロセスを大切にしていきたい。プロセスは長期的に価値のある変化を生み出すさまざまな関係や認識、デザイン思考を深めるために重要なものだと考えている。

場所の特異性（サイト・スペシフィシティー）は、ある時間の流れに存在する地域文脈に身をゆだねる建築にとって、切っても切れない存在である。

元来、サイト・スペシフィック・アートとして定義された場所の特異性の発展について、One Place after Another: Notes on Site Specificityの著者ミウォン・クォンは「作品の、特定の場所との地理的な関係と（美術館のような）公共機関の枠という社会的環境は、知識分野や知的交流、文化的な議論の場として談話的に認識された場所の概念には及ばない」と述べている。また、クォンは「土地」は現存する状況として捉えられるのではなく、作品によって生み出され、そこにある言説の組成との融合によって証明されるという。クォンの論点は、サイト・スペシフィックな作品は場所を単なる設置位置と扱うのではなく、むしろ有形・無形的なかたちで相互に影響しあえる空間であることを反映している。

「土地」を定義するとき、「土地」には敷地境界線内から水系全体まで、何層からもなる領域の重なりがあることがみえてくる。齋藤一雄が提唱したトータルランドスケープという概念は分水嶺から海の中まで、水系の流域全体を一連の生態系と捉え、そのどの位置においても、デザインの介入によって影響を受けるさまざまな矛盾や輻輳する空間的課題が存在すると指摘している。ある場所にあわせてデザインするということは、プロジェクト自体を可能にしている、複雑につながっている環境系を思いやることなのだろう。自身の目標は、水系全体を認識しつつ、その場所のアイデンティティを包括するデザインを見いだすことである。

Burra Charter (The Australia ICOMOS Charter for Places of Cultural Significance, 2013) において、文化的価値とは「場所そのものや基本構造、環境、用途、関連性、意味、記録、関連した場所やプロジェクトに表現された」「過去、現在、未来の美的、歴史的、科学的、社会的または精神的な価値」であると定義されている。また、これには解釈という、場所や文化的価値がどのように保存され、扱われ、共有されるべきかを考慮する際に利用される文化的価値の理解の仕方が付随される。

場所の文化的価値を学べば学ぶほど、むしろ自身の場所に対する観点や関係、またその場所の価値を理解できるほどの知識がないことが浮き彫りになる。全てを知ることは不可能だが、さまざまな視点から「場所を読む」力は時間をかけてでしか磨けない能力なのだと思っている。

また、場所の文化的価値を認識することは、場所に「まっさらな状態」などないことを認めることにつながる。我々が関わる前からずっと、何百年、何千年とかけてその場所を形づくってきた環境条件があり、これらは時々刻々と変化する、はかないものである。その分、デザインが場所の一部として美しく時間を共にすることが求められると考えている。

フランプトンによって提唱された批判的地域主義は、均一的な没場所性や成長への過信、産業化前の建築への感傷的なまなざしから一線を引いた「地域の文化性と普遍的な文明に対する自己分析」を目指している。また、モダニズムの普遍的なテクニックに対する批判や場所的文脈の検討を通して、フランプトンは建築の「場所の先史や昔から根付いているもの、またそれらが長い時間をかけて変化し洗練されたものを物理的なかたちで体系化する」能力があると擁護している。

地形や現存する都市空間の認識、光との関わり方や気候の変化など、批判的地域主義の自然との直接的な関係は、建築が地域に根ざした、その場所を体現するものになる可能性を見出している。カーティスが批判的地域主義を「気候や地域性、その場所の記憶やランドスケープに応えつつ社会性や技術の変化を認識する」と言い表したように、普遍的な技術を用いつつ、その場所の特徴や感覚を深めるために建築ができることを批評的な探究を通して考えさせてくれる。

かたちや表現様式にとらわれない、その場所の文脈を汲み取った建築を擁護する批判的地域主義の考え方に賛同し、自身のデザイン思考に取り入れていきたいと考えている。

増田友也が建築を「relentless pursuit of implementability（真の人間的存在の世界を、その時、その所、かけがえのないその場かぎりでの、一回きりの営為を探求し続けること）」と言い表したように、調査をデザインのコンセプトに落とし込み具現化する過程への流れには特別な熱がこもり、まるで暗闇の中でひとすじの光を追っている感覚になる。

Design Researchの著者ペーター・ダウントンはデザインについて「調べ方、知識や認識の生み出し方」と述べ、調査の結果がデザインに影響を与え、同様にデザインを通して探求すべきことが浮かび上がってくるという、直線的ではないデザインプロセスを作り出す相互的な効果があると示唆している。また、ダウントンの「何が必要か、相応しいものの本質や特徴を理解すればするほど、興味深いことや価値観が変化する」という考えは、デザインのための調査があることでより良いデザインの選択ができるという点を強調している。

このように調査をとおしてデザインを深める建築家のひとりが三分一博である。三分一自身が自らの建築作品を風や水、太陽などの動く素材などで構成された「地球のディテールであり、地球の現象のひとつ」と呼ぶように、三分一のデザインの過程はその場所のエナジースケープの綿密な調査から成り立っている。例えば、太陽が空気を動かし、空気が熱を動かし空間に作用し、熱が空間の素材に蓄積されたり奪われたりされ、それによって素材自体が変化する、といったつながりは、建築空間を形づくる物理的な要素のデザインに影響を与える。このように、場所に特化した科学的知見とエナジースケープに対する詩的感覚が組み合わさることで場所の固有性に敬意を示すデザインが生み出されている。

調査とデザインに対する私自身のアプローチは常に変化し続けると認識しているが、自身にとっての目標は科学的観点と詩的観点の両方からその場所特有の情報を吟味できるようになること、また、探求の結果に基づいたふさわしいデザインの選択をできるようになることである。

著書・陰翳礼讃において、谷崎潤一郎は「われわれ東洋人は何でもない所に陰翳を生ぜしめて、美を想像するのである。...われわれの思索のしかたはとかくそう云う風であって、物体と物体との作り出す陰翳のあや、明暗にあると考え」と述べ、根本的に建築は空間の感覚的体験の豊かさであって、建物自体の物性や見た目ではないということを示唆している。

谷崎のこの考え方はペーター・ズントーのいう雰囲気（atmosphere)と共鳴するところがある。ズントー曰く、雰囲気とは人びとが五感をとおして体験する建築の特性で、気持ちや第一印象、感情面の感受性を通じて理解するものだと定義している。Atmospheresという著書では雰囲気を12の属性の異なった要素に分けて分析しているが、それらをつなぎとめているのは、全てが組み合わさって感覚的体験を生み出す際の個々の役割や多要素との関係性を明確化できる能力なのかもしれない。

谷崎とズントーの考え方に共通するのは、感覚的体験や雰囲気の存在はデザインの産物としての建築であるとともに、デザインプロセスにおけるコンセプトの出発点としてデザインの判断材料にもなりうるということである。ただ建てられるものとしてではなく、感じてもらうものとしての建築は、人にとっての建築の意味を再認識させてくれる。

The more I learn about architecture in practice, the more I appreciate the power of communication. Many say drawings and diagrams are architects' languages and means of expression. However, sometimes I notice a representation appearing to be chosen by its aesthetic appeal or visual impact, just like 'Instagramable' photographs. There's often a need to reflect on and consider whether stylistic choice is driving the representation approach.

I understand that the power of communication becomes strengthened when there is someone on the other end to communicate with. To whom it is for, what values they have, what kind of information is helpful, what kind of language is appropriate, what emotions help share the vision, how much time is available, and how ideas can be made clear. While means of communication through design projects at universities often reflect their atmospheres and design approaches rather than their intended audience, day-to-day work in practice requires communication approaches to respond to specific groups of people with a wide range of cultural, social and architectural backgrounds - not only to clients and consultants but also to team members, end users, funding bodies and Traditional Custodians.

Just like how someone on the other end helps you decide what to communicate, the medium of communication (pens, pencils, CAD, etc.), what lines, shapes and colours to use, what words to use, and how to structure them, the means of expression itself is part of the design process that reflects one's understanding of the receiver. I will keep reminding myself of the meaning of communication when determining my communication approaches.

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